ドームふじだより No. 44
−雪の結晶−


 ここドームふじは見渡す限り雪に囲まれていますが、同じ雪といっても、顕微鏡で観察するとさまざまな形の結晶を見ることができます。写真1は空から降ってきた雪の結晶です。温度と湿度がともに低いため、日本で見られるような、みなさんよくご存じの六角形の結晶はできず、非常に小さくて中が空洞の鞘(さや)のような結晶やそれらが集まったものがほとんどです。
 写真2は「ドームふじだよりNo.39」で紹介した、雪まりもの結晶です。雪まりもは雪の塊というよりは、綿菓子のようにふわふわとしているのですが、こうして顕微鏡で見てみると降ってくる雪よりもさらに細い針のような結晶が絡み合ってできているのがよくわかると思います。
 写真3は雪面から約5cmの深さにある雪の結晶です。降ってからおおよそ半年ほど経っているはずです。降った直後の雪と違って、結晶同士がより強く結びついて、大きくて丸みを帯びています。このように、ふわふわした雪は時間が経つにつれて次第に硬く締まっていくのです。(写真提供:藤田耕史隊員)


写真1 降雪の結晶


写真2 雪まりもの結晶


写真3 積雪の結晶

ドームふじだより No. 45
−床張り完了−


 6月中旬から、棟梁の高橋暁隊員(本業は調理担当)を中心に行ってきた、新掘削場の基礎作り・床張り作業が8月13日に終了し、恒例の記念写真を撮りました(写真1)。以前に作業の様子を少しお知らせしましたが、基礎になる木材を雪面に埋め込んで水セメントで固め、断熱材を敷きつめて(写真2)その上にベニヤ合板を張りました(写真3)。新掘削場は幅4m、長さ36mもありますし、掘削用の発電機を動かしていない現在の気温は外気温とほぼ同じなので、長く、辛い作業でした。みんなの名前を書いて記念に残すことにしました(写真4)。


写真1 床張り完了記念写真


写真2 断熱材を敷き詰める


写真3 コンパネを張る


写真4 皆の名前を書いたコンパネを最後に張って完了

ドームふじだより No. 46
−太陽が戻る−


 本日(8月18日)、ドームふじに太陽が戻ってきました。4月28日から一日中太陽の全く出ない極夜だったので、約4か月ぶりの日の出です。おめでたいので、とりあえず全員で記念写真を撮りました(写真1:もちろん逆光です)。
 過去の記録や計算上では16日頃に日の出を迎えていたはずなのですが、天気が悪くて見えませんでした。本日も水平線上には雲がありましたが、その向こうでは太陽がしっかり顔を出しているようで、雲の上の部分から光が差しました(写真2)。
 静かに見つめる者、バンザイと叫ぶ者、熱心に記念写真を撮る者などさまざまでした。これからは「夜明けの来ない夜はない」という言葉を実感として、心の底から言える気がしました。
 4か月間続いた極夜の後は、約2か月間で今度は太陽が一日中沈まない白夜期になり、約4か月間続きます。2か月間で一日中「夜」から一日中「昼」に移行するので、単純に計算すると1日20数分間ずつ昼が長くなっていくことになります。


写真1 太陽を背に記念写真


写真2 初日の出