ドームふじだより No. 28 |
写真1は掘削場の中央にケーシングパイプが立っているところです。今回はケーシングパイプとわれわれの越冬中の最大の仕事である「第2期ドームふじ深層コア掘削計画」の準備について説明しましょう。ドームふじ観測拠点は標高3810mの所にありますが、地面の高さが約800mで、その上の約3000mは降り積もった雪が固まって氷になったものです。雪はその時の空気を含んだまま氷になっているので、底の方には約80万年前の空気が閉じ込められていると考えられています。2006年の夏までに、この氷を直径10cmの筒状(コア)に3000m分掘り出そうというのがこの計画です。掘り出してから分析をすれば80万年前までの地球の環境がわかるはずなのです。1995年から1996年までの第1期で2503m(約32万年前)のコアは掘り出されましたが、そこでドリルが引っ掛かってしまいました。今回は位置をずらしてもう一度3000mに挑戦するわけです。 |
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ドームふじだより No. 29 |
極夜が始まったここドームふじでは、長い夜を利用して「南極ドームふじ大学」を開校しました。隊員間の相互理解を深める目的で始まった昭和基地の「南極大学」や、しらせ乗船中の「しらせ大学」には長い伝統があります。週に1回、隊員が交代で教授を務めます。講義内容は自由で、自分の専門分野の話でもいいし、趣味、あるいはこの時のために新たに調べたことでも可能です。様々な分野の専門家が難しい話をわかりやすく講義してくれるので、時間が経つのを忘れるほどとても楽しいものです。 |
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ドームふじだより No. 30 |
5月29日の夜、オーロラが大ブレークしました。オーロラは太陽風という太陽から発せられるプラズマが地球の磁場に捉えられて起こる現象なので、太陽活動が活発になるとオーロラも活発になります。普通の日のオーロラは(写真1)のようにうす緑色のカーテンがゆっくり揺らめく程度で、活発になるとそのカーテンの下の縁が赤く色づき、動きも早くなります。この日は(写真2)のように頭の上(天頂部)から降りそそぐようなコロナ状のオーロラがほぼ全天を占めていました。これだけでもなかなか見ることのできないすごく活発な状態なのですが、その後さらに活発になって(写真3)のように次第に赤い部分が増えてきて激しく揺らめくようになり、ついに(写真4)のように全体が赤いオーロラとなりました。赤いオーロラが発生すること自体とても珍しいことだそうですが、さらにデジタルカメラでこれだけきれいに撮影されることは極めて珍しいことだと思います。(写真撮影 中野啓、栗崎高士両隊員) |
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